台形の家
一般的に好まれない旗竿地はデザインによってはコストパフォーマンスに優れた土地にすることができます。
逗子の注文住宅「台形の家」は通路をはいった中の土地も長方形になっているうえ、土砂災害特別警戒区域のレッドゾーンのラインによってさらに建物の形に制限が出てしまいました。
それの不利な条件を逆手にとり、台形の建物をデザインしました。
道からはほとんど家の様子がわからないミステリアスな外観で、玄関部分はレッドシダーを張っています。玄関ドアも同じ材料を張っていて枠もないため、外壁の中にドアが溶け込んだデザインになっています。
表札は真鍮で一文字ずつ制作し、インターフォンカバーも真鍮製のものを取り付けました。ポストの存在感ださないために埋め込み型にし、シューズクロークから直接取り出せるようになっています。
玄関を入るとまずモザイクタイルとリブが印象的なエントランスがあります。間接照明でホテルライクな内装になっています。
寝室は床を一段下がり天井高2.7mと開放感のある空間になっています。ベッドボードも造作し間接照明を使っています。
間接照明はこのリブ壁のように凹凸があるほうが陰影が出てより効果的です。床はタイルで仕上げました。
家の中央部には三角形の巨大な吹き抜けがあり、造作の鉄骨階段で2階にあがります。床はブラックウォールナットの挽板のフローリングを使用しています。1階廊下の天井高も2.7mになっています。
この吹き抜けがあることで1回全体が明るく、玄関にも光が差し込みます。
ドア全て神谷コーポレーションの2.7mハイドアを使用しており、天井まで枠のないスタイリッシュでホテルライクなデザインになっております。
洗面台と水栓はサンワカンパニーのものをしようし、鏡の間接照明とニッチは造作しました。
脱衣所を別に設けているため、洗面所は仕切られていません。これと吹き抜けににより「廊下」という概念を感じにくいデザインになっています。
2Fはトイレ以外に扉がなく1つの大きなLDKになっています。階段を上がったスペースがリビングになっており、造作のソファと石壁、大開口の窓でリラックスできる空間になっています。窓からは山と街並みを望むことができ、夕日が沈んでいくところを楽しむことができます。
床は絨毯になり、ダイニングとリビングとは異なる素材を使用しています。
床の高さと素材の違いで空間を仕切る
「台形の家」の大きな特徴は、壁ではなく床の高さや素材を変えることで空間を仕切る
という点です。絨毯のリビングから一段上がるとフローリングのダイニングがあります。
11帖あるキッチンにはGRAFTEKTのアイランドキッチンを設置しており床と壁はタイル張りになっています。キッチンはあえて床をあげており、天井にはマホガニーを張っています。
ダイニングはフローリングになっており、リビングとキッチンの中間の床の高さになっています。カウンターとテーブルは同じタモの無垢材で統一されており、10人以上でパーティーすることもできます。